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落ち着くこと! その場が安全かどうか確認する。例えば、車道、ストーブのそば、階段の踊り場、窓際、浴槽、プールサイドなどは安全な場所に移動。呼吸の介助をする。子どもや周囲の状況から原因が何かを判断する。

@ 落ち着いてください。

子どもが急にけいれんを起こしたら、誰でも「あっ」とびっくり仰天します。
たとえ医師でさえも驚きます。
しかし、けいれんを扱いなれている医師であれば、どのように対処すればよいのかを知っているので、あわてずに適切に行動することが出来ます。

ところが、なれてないと驚きのあまり頭の中が真っ白になって、舞い上がってオロオロと慌てるばかりです。
そうならないために、けいれんに遭遇して「あっ!」と思ったその瞬間に、心の中で自分自身に向かって「おちつけー」と叫んで下さい。
落ち着いてこそ、覚えていた知識が思い出され、冷静に適切な行動がとれるというものです。

A その場が安全かどうか確認して下さい。

そこが危険な場所であれば、とりいそぎ安全な場所へ移動して下さい。
例えば、車道、ストーブのそば、階段の踊り場、窓際、浴槽、
プールサイドなどです。
小さい子どもなら抱きかかえて、大きな子どもなら腕や足を持ってズルズルと引きずって安全な場所まで移動させて下さい。

B 呼吸の介助をして下さい。

けいれんの最中でも弱々しく息を不規則にしています。
したがって、呼吸の介助を行って下さい。
意識無くけいれんを起こしている人の口やのどに、食べもの、吐いた物、唾液などの分泌物があると、空気の通りの妨げに
なります。
さらに気管をつまらせる恐れもあります。
そんな時は、とりいそぎ顔を横向きにして下さい。
そうすることで、分泌物などはほっぺたのほうに移動して溜まるようになります。

また、もし首が硬直していて横向きにできなければ、身体ごとゴロンと横向きに寝かせて下さい。

けいれん時は下顎がのどの方ヘ引っ張られ、舌ものどに落ち込みます。
その結果、のどが狭くなって呼吸の妨げとなります。
これを解除するために、あごの骨の右側と左側のエラの部分に指をかけて、前方に引き出して下さい。
つまり、下顎を「うけ口」にして下さい。

ベルトやネクタイなど身体を締め付けているものがあれば緩めて下さい。

C 子どもや周囲の状況から原因が何かを判断して下さい。

事故、けが、中毒によるけいれんが疑われれば、すぐに救急車を呼んで下さい。

例えば、車のブレーキの跡があれば事故と察せられるでしょう。
階段の下で子どもが倒れて血を流していれば転落したことが疑われます。
もし、けいれんしている子どものそばに、薬のビンが空になって転がっていれば、いたずらをしてたくさん薬を飲んだのかも知れません。

いずれも、ただちに原因に応じた適切な処置が必要です。
119番してください。

熱性けいれんやてんかん発作と判断できれば、まずは静かに見守って下さい。

実際に熱性けいれんが最も多く見られます。
けいれんが起こる直前、あるいは直後の発熱が認められればまずは熱性けいれんを考えてよいでしょう。

風邪などの感染症の発熱を契機に起こるので、これらの症状も参考にして熱性けいれんの判断をして下さい。
多くは数分 (2〜3分) で自然に止まります。
落ち着いて見守り、止まっていくのを観察して下さい。

てんかん発作は発熱と無関係に起こります。
つまり、熱もなく元気で普通にしていた子どもが、思い当たる原因もなく不意にけいれんなどの発作を起こします。
びっくりさせられます。

しかし、てんかんの発作の多くは熱性けいれんと同様に、そのうちに自然に止まります。慌てる必要はありません。
静かに見守っていて下さい。

逆に、子どもが事前にてんかんと診断されていれば、いきなりけいれんが起こっても、それがてんかんの発作であると容易に類推できるでょう。
そして、しばらくすれば止まることが期待できます。
だから、かえって安心して見ていられるかも知れません。
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