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麻疹ウイルスは伝染力が強く、飛沫感染で広がります。麻疹特有の発疹が全身に出現します。その後には色素沈着が残ります。39〜40℃の高熱が出ます。

麻疹は子どものかかる感染症の中で、最もつらい病気の一つです。

麻疹ウイルスは伝染力が強く、飛沫感染で広がります。
予防接種を受けていない子どもの間で流行がみられます。
ですから予防接種を決められた時期に受けておくことが大切です。

麻疹特有の発疹が全身に出現します。
色はあざやかで強い赤みが特徴です。 (写真)
発疹の大きさは数o〜1p程度とさまざまで、わずかにもり上がった感じになっています。
となりあう発疹と発疹が癒合するのも特徴です。
耳の後ろ側から出始めて、頸部、顔、身体へと広がってゆきます。
発疹の隙間には正常な皮膚面が残っています。
このような発疹が全身に無数にでているようなら、見ただけで麻疹が連想できるでしょう。
いずれ、熱が下がってくると発疹の赤みは消えていきます。

その後には色素沈着が残ります。
皮膚に胡椒をまき散らしたようにみえます。
他の病気ではこのようなことは起こりません。
診断の裏付けになります。
色素沈着はしばらくすればあとかたもなく消えていきます。

発疹が出るのに少し先立って、口の中にも発疹が出ます。
ほっぺたの内側の粘膜 (特に奥歯の付近)に点状の白い発疹が無数に認められます
(下の写真)。
直径が1〜2oほどで、ミルクかすあるいは白い粘液のようなものが細かくたくさん見られています。
コプリック斑と呼ばれています。
これが見られれば、麻疹に間違いありません。小児科医は咽喉の方ばかり気にして診察するので、ややもするとこれに気がつかずに後で恥をかいたりします。

粘膜全体は光沢が失われ、赤みがかってただれたようになっています。

麻疹では39〜40℃の高熱が出ます。
熱が出始めて、いったん中休みがあって再び高い熱が出るようになります。
これを二峰性の発熱といいます。

この再び押し寄せてきた発熱の時期に、身体の発疹や口の中の発疹が出てきて、診断の糸口になります。

最初の発熱の時期には、目の充血や、咳、鼻水といった症状が見られています。
このような時期には、外見で麻疹と診断することは不可能でしょう。
ですから、当初風邪といわれて経過を見ているうちに、発疹が出てきて急きょ麻疹と診断される場合が多いでしょう。

診断は、地域での流行の 情報、身の回りに発病した人がいなかったか、予防接種歴も参考にします。

治療は安静、水分摂取および対症療法が中心です。
解熱した後3日間経過するまで隔離しておいて下さい。

合併症には、気管支炎、肺炎、中耳炎、咽頭喉頭炎、脳炎、亜急性硬化性全脳炎などがあります。










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