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「砂かぶれ様皮膚炎」手のひらと足の裏に赤い発疹ができる

あまり知られていない「砂かぶれ様皮膚炎」(正式には小児掌蹠丘疹性紅斑性皮膚炎)という病気があります。子供の手のひらと足の裏に赤い発疹ができます。砂遊びでかぶれたように見えることからこの名前が付けられています。しかし、砂遊びしなくてもなります。あらかじめ見て知っておきましょう。まずは以下の写真をご覧ください。手のひらと足の裏に、直径1〜2oくらいの赤い少し盛り上がりのある発疹がたくさんできています。
しだいに癒合して一面赤く少し腫れたようになり、痒みを伴うこともあります。
足の裏にもポツポツ発疹が出現。
それが引けると薄皮がむけてシワシワな皮膚になったあと数週間で自然に元のきれいな皮膚に戻って行きます。
ネットで検索すると写真が出ています。ぜひたくさん見ておいて下さい。どんな発疹なのかより実感できると思います。そうしておけば自分で判断するのに大いに役立ちます。発疹が手と足にできる所は手足口病に似ていますが、この病気は口にはほとんど出ません。 発疹自体も手足口病のような「水疱」ではなく、赤く盛り上がる「丘疹」でサイズも小さく、見た目が違います。溶連菌感染症では赤い発疹が全身に出現し、熱やのどの痛みなどの扁桃腺炎の症状を伴うので鑑別できます。川崎病も見逃してはいけない病気ですが、高熱が続いたり目や口の粘膜の症状、リンパ節が腫れることから見誤ることはないと思います。

砂かぶれ様皮膚炎は、熱も出ません。出ても微熱です。全身状態が悪くなることはありません。ものの本によると、1歳をピークにして4歳以下のお子さんがかかるのがほとんどとのことです。5〜6月に発症することが多く、一度かかったら二度と罹らないようなところから、現在では何らかのウイルス感染症と目されています。ネット上にわかりやすく書かれた病気の説明が出ています。ぜひそちらも参考にしてみて下さい。

おすすめは http://benesse.jp/kyouiku/201508/20150814-2.html です。

ところで、この病気はなぜか多くの小児科の教科書にも皮膚科の教科書にも出ていません。だから、たとえ医師であってもちょっと小耳にでもはさんだりして知っていないと診断できません。しかし、たとえそうであっても、見落としてはいけない重要な疾患ではないことは判断できます。ということから、診断名は告げられなくても「大丈夫、たいしたことはないでしょう」と説明されることになるのです。私も若いころは診断できませんでした。
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