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発熱したとき。着物は寒がっている時は、一枚多く、暑がってきたらとる。本人が嫌がらない程度に冷やす。部屋の温度は暑くも寒くもない程度。吸収のよい食事を無理せず。全身状態が良ければ解熱剤は不要。

@ 着る物・掛け物

熱が上がりつつある時は、手足は冷たく蒼白く寒気がします。
掛け物を増やして温まるようにして下さい。

体温が上がりきると、体が 熱く感じるようになり、手足に赤みが出てきて
汗をかきます。
身体を拭いてあげたり、肌着を換えてさっぱりとさせて下さい。
暑がるので掛け物を少なくして調節して下さい。

A 冷やす

おでこや首筋を氷枕や氷嚢などで冷やしてあげると気持ちよくてよいでしょう。
わきの下や足の付け根を冷やしてあげてもよいでしょう。
これで体温が下がるというわけではありません。
嫌がらない程度におこなって下さい。

B 部屋の温度

室温は、健康な人にとって暑くもなく寒くもない程度がよいでしょう。
冷房の空気が直接子どもに当たらない様にして下さい。
冬場は空気が乾燥しがちなので加湿してもよいでしょ う。


C 食事・水分

食欲が出てくれば、少しずつ食べさせてみて下さい。
吐いたり下痢していなければお子さんが好きなものでもかまわないでしょう。
無難にするなら消化のよいでんぷん質のもの (おかゆ、うどんなど) がよいでしょう。

食べられなくても水分はとるようにして、脱水を予防することが重要です。
少しずつ、吸収のよいもの (番茶、白湯、子供用イオン飲料など) をとらせて下さい。

D 解熱剤

熱があると気分がすぐれません。
水分が受け付けられなくて脱水になる心配が出てきます。
そのような時には解熱剤を使用してください。

現在は、小児科で使う解熱剤は安全性が一番 高く副作用の少ないアセトアミノフェンという成分の薬がほとんどです。
薬は体重に見合った使い方が指示されるでしょう。
効果はマイルドなので、多少体温が下がるくらいと思っていて下さい。

解熱剤を使うのは、熱の程度だけで言うと38.5℃くらいが一般的です。
水分がとれていたり全身状態が悪くなければあえて解熱剤は使わなくて
よいでしょう。

E 発熱時の状況判断

熱が出ると、病院に連れ て行ったほうがいいのかどうか思い悩みます。
そのような時の状況判断には、 熱以外に子どもの全身状態はどうなのか、熱以外の症状はどうなってきているかを観察して下さい。

熱が出ていてもこ れらが良くなって来ているなら少し安心、
横ばいなら引き続き慎重に経過を観察し、悪化してきているなら早めの受診を考えて下さい。
つまり、「全身状態+病気の特定の症状」で判断してみて 下さい。

F 熱性けいれんの時

発熱でけいれんを起こすことは珍しくありません。
突然、全身が硬直して、歯を食いしばり、目がでんぐり返って、顔色が紫色になって鬼のような形相になります。
口か ら泡を吹くこともあります。
息が止まって死んじゃうんじゃないかと恐ろしく感じられます。

しかし実際は数分で終了し、あとかたもなく治まっていきます。
なるべく軽く済ませる秘訣は、なるべくそっとしておくことです。
居ても立ってもいられず大声で呼んだり、背中をどんどんたたいたりしないほうがよいでしょう。

舌を噛んでしまうことはめったにありません。
口の中に指や箸、棒などを突っ込まないで下さい。
顔が横向きになるように寝かせたり、空気の通り道を広げるために
下顎を前に引き出して、受け口状態にするとよいでしょう (気道確保) 。

万が一止まりにくければ (大体5分くらいを目安に) 、救急車を呼んで下さい。
自分が見ていられる限界を感じたら救急車を呼んでもしかたないでしょう
(くわしくは、熱性けいれんを参照して下さい) 。