4.内部被曝とはどんなものですか
放射性物質を体の内部に取り込んでしまって、放射線を被曝することを内部被曝と言います。 呼吸して肺に取り込んだり、口にしたものが体に吸収されたり、傷口から体に侵入することが考えられます。 いったん体に入り込むと、放射性物質からじかに放射線を浴びつづけることになり、注意が必要です。
呼吸に関しては、空気中に漂っている放射性物質はゼロかゼロに等しいくらいの微量(前橋での空間放射線量率が原発事故前と同じ)です。 だから、吸った息から放射性物質が余計に体に取り込まれるという心配はいらないと考えられました。
台風15号が日本を縦断した9月21日、各地の空気中の放射線の程度がわずかながら一過性に上昇しました。 強い風で土や砂や木の葉が舞い上がり、それに含まれる放射性物質が影響したのではないかと疑っています。 土や葉っぱには放射性物質が沈着しています。 子どもが外遊びして、土や砂をいじったり、葉っぱや草で遊ぶこともあるでしょう。 それ自体はたいした外部被曝にはならないと思いますが、それらを口にしたり、それらをいじった手を口に入れたりすると内部被曝することになってしまいます。 たとえわずかであっても注意して予防したいものです。
飲み水については、群馬県のホームページでも「全国の水道の放射能濃度」のページでも測定結果を知ることが出来ます。 群馬に限らず全国的に水道水からは放射性物質は検出されていないようです。つまり、どこの水道でも全く安全・安心ということになります。 ちなみに、群馬県の浄水場では浄水過程で生じる土砂(浄水発生土)から放射性セシウムが検出されているとのことです。 つまり、セシウムは浄水場で検出できなくなるまできれいに除去されて、安全な水道水が作られているわけです。 蛇口から出る水をそのまま飲める日本の水道水、水道局に改めて感謝です。
食べるものに関しては、国が定めた「暫定基準値」を超えるようなものは流通していません。とはいっても、店頭で売られている食品が一体どれくらいの放射線量なのか気になります。 各自治体や生産団体でも測定していて、それぞれのホームページで結果が公表されています。 また、農林水産省の発表する検査結果を基にまとめられた「全国の食品の放射能調査データ」のページも参考にすることが出来ます。 食品の産地、とれた時期から、それに相当する測定結果を調べてみるとよいと思います。 群馬県でとれた野菜類では、最近(2011年9月時点)では放射性物質が検出されたものはないようです(すべて検出感度以下)。 「全国の食品の放射能調査データ」のページを見てみると、放射性物質が検出された食品とその放射線量(単位はBq/kgとなっています)が一覧になっています。
食べ物の放射線量はいったいどれくらいまでだったら自分としては許容できるか、自分なりに試算してみました。 細かいことは抜きにして、少し甘く考えて、内部被曝の主因となるセシウムだけを考えることにしました。 つまり、食べ物によるセシウムの内部被爆を 1mSv/年(国際的に安全といわれるレベル)以下にすることを想定しました。 その結果、食べるものは押しなべて、セシウムが約100 Bq/kg以下であればよいということになりました。 ちなみに、セシウムの国の暫定基準値は500 Bq/kgとなっています。 一方、厳格な考え方をとる人が書いた書籍では10 Bq/kg以下を主張しています。 私の試算はその中間ということになりました。 個人的には、甘く見積もった結果が100 Bq/kgなので、願わくばその何分の1以下にしたいところです。
幸い地元群馬の野菜は、県のホームページで見たところ安全のようです。 全国の野菜の測定値の一覧を見ても、放射性物質は検出されたとしても大体は数10Bq/kgです。 よって、私個人的には野菜類は産地をあまり気にせずに、買って食べても大丈夫そうだと思っています。 群馬県の牛肉に関しては、放射性物質は検出されておらず安心しました。 しかし、事故原発近隣の牛肉の中には100Bq/kgを超えるものがあり、また魚介類でも高い値を示して、中には暫定基準値を上回る結果となったものもあります。 流通しているものは、国の基準を下回っているとはいえ、一応注意して監視する必要はあると思います。 しかし、まあ一過性に高い値の食材を食べたとしても、年間の積算量には大きな影響はなく、それほど神経質になることもないだろうと、やや甘く考えることもできます。
原乳、乳製品については、インターネット上に公表された結果をみると、群馬県に限らず全国的にも安全できるものでした。牛乳もヨーグルトも、子供に安心して与えられると思います。
2011年10月11日
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