頭部外傷(打撲)

頭部外傷(打撲)

小さい子どもはよく頭をぶつけます。
家庭などの生活環境の中で起こったものは、たいていは大事に至ることはありません。
ところが、本当に心配ないものかどうか見きわめることは実は非常に困難です。
というのは、どんな些細な頭の打撲であったとしても、後になって重く症状が出てくることがあるからなのです。

実際に経験した例では、お座りをしていた乳児がバランスを崩して畳の上に倒れて頭を打ったとか、抱っこしていた乳児がぐずってそり返って壁に頭をぶつけただけなのに、忘れた頃になって重いけいれんが起こったことがありました。

そのようなことから、小児科に問い合わせの電話が時々かかってきますが、歯切れよく答えることはなかなか出来ません。
とりあえず注意点をお話しますが、不安を解消するために脳神経外科の受診をお勧めしたりします。


頭をぶつけて頭蓋内出血や脳挫傷が起こってくれば、上の図表に示したように、
① ~ ⑦ の症状が現れてきます。

より早期から症状が現れれば、それだけ脳の障害が強いと考えられます。

ですから、頭をぶつけた直後からこれらの症状が現れるようでしたら、緊急性が高いと考えて救急車で脳神経外科のある病院に搬送してもらって下さい。

ただし、子どもの場合は軽症であっても頭をぶつけた ショックから、その直後は顔色が蒼ざめたり1~2回吐いたりします。

あまり慌てずに、精神的なショックが収まるまでしばらく様子を見て下さい。
たいていはだんだん顔色が戻って吐き気もおさまってくるでしょう。

そうなれば、そのまま引き続き様子を見て、水分をとらせたり、食欲が出てくれば食事をとってもよいでしょう。

その場で元気でも、2~3日は安静に過ごすようにして下さい。
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