川崎病

川崎病

小児科医は、熱のある子を見たら常に川崎病を見落とさないように注意しています。
川崎病は心臓の冠動脈の拡張や動脈瘤という重大な後遺症を残すことが
あるからです。

これを予防するために、なるべく早く診断して特殊な治療を行います。
この病気が疑われるようであれば早めに小児科医のいる医療機関を受診して下さい。
診断は、6つの症状の組み合わせで行います。

高熱
診断基準には5日間の発熱とされていますが、原因不明の高熱が続く場合には早期にこの病気を疑います。

目の所見

結膜が両側とも充血します。

口唇、口腔の所見

口唇が赤くなってひび割れます。口の中の粘膜が赤くなり、舌も全体が赤くなり舌乳頭が腫大していちご舌となります。

不定形発疹

熱が続いているうちに発疹が出ます。
発疹に決まった特徴はなく、麻疹様、風疹様、蕁麻疹様など、多種多様に見られます。大きさはまちまちで形も一定ではありません。

「不定形発疹」と総称されます。
1日で消えてしまったり、場所をかえて出没を繰り返したり、癒合するものもあります。身体に赤みの強い発疹がでると、熱湯のしぶきをあびて赤くなったような印象があります。
BCG摂取部位に限局性紅斑が見られることがあります。川崎病の診断に参考になります。

四肢末端の変化

手や足がむくんで腫れます。
ひどい時には、パンパンになって硬くなります(硬性浮腫) 。


他の症状が消えてきて急性期が過ぎると手や足のゆびの先端、爪と皮膚のさかいめから皮がむけてきます。
最初は皮膚に亀裂が入り、
だんだん皮がめくれてきます。
薄く細かくはがれる場合と分厚く膜様に広範囲にはがれる場合 (膜様落屑、右の写真) と、
程度はさまざまです。

頸部リンパ節腫脹


首のリンパ節が腫れて痛みます。熱を持ったり赤くなったりすることはありません。
見てわかるほど大きくなったり、触ってみないとわからない程度のものもあります。

以上のような症状が
5~6個そろえば診断されます。

小児科医は注意して診察し、血液検査などを
おこなって見落とさないように心がけます。

治療は、入院の上でアスピリンの内服と、ガンマグロブリン大量療法などを行ないます。ガンマグロブリンは血液製剤で、可能な限りの安全性の確認が行なわれたものです。心臓合併症を予防する重要性から、両親の同意のもとに実施いたします。
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